特集 小児の救急―これがminimum
トピックス
児童虐待
吉村 仁志
1
1沖縄県立中部病院小児科
キーワード:
危険(リスク)評価
,
育児支援
,
予防
Keyword:
危険(リスク)評価
,
育児支援
,
予防
pp.796-799
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100700
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Case
子どもを代理としたミュンヒハウゼン症候群が強く疑われた症例
患 者:生後11カ月,女児.
家族歴:兄弟5名に無呼吸発作で当院救命救急センター受診歴あり.1人は突然死,1人は脳死により死亡.母親は4回の離婚と5回の結婚歴があり,自殺企図歴多数.狂言による性器出血,喀血などもある.
現病歴:生後4カ月時,9カ月時,10カ月時に無呼吸,チアノーゼにて当院救急センター受診,精査するも原因疾患同定できず.生後10カ月時は入院中,母親と散歩中に心肺停止し,蘇生された.生後11カ月時,チアノーゼにて来院,救急室で観察中,母親に抱かれてベッドを離れ,数分後にベッドに戻った時にチアノーゼで発見され,心肺停止を確認,蘇生されたが低酸素性虚血性脳症で重度心身障害児となる.同時に,出生後退院してすぐにチアノーゼ発作を呈したすぐ下の弟も同じくチアノーゼ発作で受診したが,精査で異常なし.弟はその後母子分離され,施設では全くチアノーゼ発作なく発育,発達正常.母親は自身が入院した際,看護師に「気がつくと子どもの鼻と口を押さえてしまっていることがあり,恐ろしい」ともらしていた.警察も介入したが,現在まで虐待を証明できていない.
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