特集 子どもを守る
児童虐待
中板 育美
1
1国立保健医療科学院
pp.584-587
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100615
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児童虐待は,人々の心のありようと関係性にまつわる個別の課題であると同時に,日本の文化や歴史,経済不況などの世相も影響する社会病理の側面もある.最悪の場合は死に至る.たとえ死は免れても,外傷や心の傷を癒し,世代間連鎖を断ち切るまでの道のりには,多くの関係者のエネルギーと知恵と技術を要す.さらに親族や関係者の心的ストレスを加味すれば,その社会的コストは膨大である.
そこで公衆衛生の役割を考えると,個々への対応を重ねることから有効な戦略を見出し,それらをヒントに発生予防からケア・リハビリ,次世代の発生予防までを包括的に捉えたサービス提供システムを,地域らしく実行できる仕組みに整えていくことである.
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