特集 児童虐待に介入するための視野と技術
【児童虐待に介入するためのノウハウ】
児童虐待を疑うケースを確実にフォローするための記録とは
長江 弘子
1
1聖路加看護大学
pp.1044-1052
発行日 2001年12月10日
Published Date 2001/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902543
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平成12年度に全国の児童相談所で受け付けた虐待相談件数は1万8804件で,急増する傾向にあります(図1)1)。虐待の加害者は61.6%が実母で,新生児から3歳までの乳幼児は19.9%です。しかし,新聞報道をもとに最近5年間の「死に至った虐待」を調べた調査結果2)では,新生児から3歳までが56%を占めています。やはり,幼少であるほど,虐待が死につながると考えられます。
また,この調査によると,虐待死は0歳児で「夜泣きする」,1〜2歳児で「なつかない」「いうことを聞かない」「おもらしする」というきっかけで発生しています。さらに,その背景として,親自身の「精神不安」「病気」「育児疲れ」「飲酒」が,特に0歳児の親では「出産後の育児不安」が見られると報告されています。これらの母子は,保健活動のなかでよく出会うのではないでしょうか。
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