特集 施策を生む研究と実践
保健婦活動の曖昧さと施策に結びつく研究・実践
高階 恵美子
1
1厚生省保健医療局地域保健・健康増進栄養課
pp.6-12
発行日 2001年1月10日
Published Date 2001/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902373
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「最近の健康教室や講演会には珍しいお客さんが目立つようになった」。自治体の保健婦さんからこうした話を聞くようになったのは3年ほど前からであろうか。聞けば,地域内のこうした催しではこれまでお目にかかることがなかった働き盛りの男性が,真剣な面持ちで訪れると言うのである。長期化する不況は意外な姿で,身近な場所にも顔を覗かせている。
また健康にまつわる話題としては,親による家庭内での幼児虐待事件の急増,思春期からの引きこもりなどの問題,過去最高を記録した中高年男性の自殺件数などが連日のように報道され,それによって私たちは,いま人々の心が不安定な社会生活によって揺らいでいる様子をうかがい知ることができる。
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