特集 健康相談
結核に関する健康相談—大切な保健所との結びつき
塩沢 満
1
1栃木県足利保健所
pp.28-32
発行日 1962年8月10日
Published Date 1962/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202628
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.はじめに
「結核に関する健康相談」の内容を詳細に検討すると,まず来所動機によつて次の3つに大別することができる.すなわち第1は集団検診や家庭訪問を経てくるもの,第2は医療機関からの紹介によるもの,第3は自発的に来所するものである.また来所の目的によつては,第1に結核検診,第2に感染および発病予防の相談,第3に結核患者の医療および生活相談,第4はなにか自覚症があり,それが結核によるものかどうかを確める鑑別診断等である.現在,各地で行なわれている結核健康相談は,これらのいろいろな動機によるものが,またいろいろな目的をもつて複雑に組合わされて実施されているものと考えられる.さて,それではどういう在り方が最も適切であるかということになると,一概に云うことは極めてむずかしい.結局,周囲の事情や内部事情によつて左右されてくる.いい換えるならば,その地域の共同保健福祉計画の中で,その機関がどういう在り方を要求されるかによつて決まるということであろう.病院や診療所と保健所の結核健康相談は,勿論その内容はことなるし,また同じ保健所にしても都市と農山村では,かなり趣が違つてくる1).
また農村の保健所にあつては季節的にも差があるであろう.
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.