研究
地域における住民組織の主体性に関するアセスメント指標の検討
坪川 トモ子
1
,
鳩野 洋子
2
1新潟県新津保健所
2国立公衆衛生院
pp.316-322
発行日 2000年4月10日
Published Date 2000/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902174
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要約
本研究は,住民の主体的な組織活動をめざし支援する者が,住民組織の状態を,主体性の観点から判断するためのアセスメント指標を開発することを目的とした。この指標を作成する趣旨は,主体性の観点からアセスメントする視点を示し,組織の特性や目的と照らし合わせ,組織としての課題と支援する側の課題を明らかにすることにある。組織成員および活動支援者に対するインタビューと文献検討により,「地域における住民組織の主体性」を構成する要素を抽出した。それをアセスメント指標として作成し,その妥当性と地域での適用可能性を検討した。その結果,構成要素を「I.地域への志向:コミュニティのウェル-ビーングを志向している」「II.成員としての成長:成員個人が組織活動を通じ成長している」「III.成員の関係性:成員の相互作用が働いている」「IV.組織としての成長:組織としての活動を実践している〕の4つの大項目と32の細項目に整理し,指標を作成した。その項目は,専門家による検討と実務者への調査によりおおむねの妥当性が得られるとともに,各種組織での試行によりアセスメント指標として使用する有効性が確認できた。また,地域で実際使用するためには,アセスメントする趣旨と指標の使い方を詳しく提示することが必要であることがわかった。これらを修正することにより地域で活用できる可能性が考えられた。
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