特集 公衆衛生はどう変わるか—保健所法改定を機に
[保健所法改定をめぐるキーワード]
地方自治・住民主体
前田 秀雄
1
1東京都清瀬保健相談所
pp.868-873
発行日 1993年10月25日
Published Date 1993/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900780
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今回の地域保健基本問題研究会による「総合的」見直しは,①生活者主体のサービス,②住民の多様なニードに対応したきめ細かなサービス,③地域の個性を生かした保健と福祉のまちづくり,を基本的な視点としている。また,検討の対象を都道府県・市町村(=地方自治体)の提供する行政サービスに限定している。このため「地方自治」は,極めて重要なキーワードとなる。
教科書に従えば,地方自治は,自治体の自治権を保障する「団体自治」と,住民に地方自治参加の権利を保障する「住民自治」という2つの原理から成り立っている。そこでその順に従って,焦点となっている地域保健にとどまらず,公衆衛生の将来方向について地方自治をキーワードに公衆衛生医の視点から論じてみたい。
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