特集 大学における地域看護教育—臨地実習を中心に
臨地実習で伝えたい家庭訪問援助の特質
田村 須賀子
1
1千葉大学大学院看護学研究科
pp.293-299
発行日 2000年4月10日
Published Date 2000/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902170
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大学教育の場合,保健婦基礎教育は地域看護学の専門領域に含められ,臨地実習は他の看護領域実習と並行して実施される。短期大学や専門学校のように,看護基礎教育の後,保健婦基礎教育を追加するというものではない。また学生には,現場で実践している保健婦(士)に到達目標としてのモデルを求めるのではなく,地域看護の実践者としてのあるべき姿を追究させ,限りなく理想に近い形で保健婦(士)の活動がイメージできるような教育を提供したい。
そのため指導教員は,まず地域看護の実践の特質を確認し,臨地実習において何をどのように学生に伝えるのか? ということを十分検討しなければならない。臨地実習において学生に伝えるべき家庭訪問援助の特質を整理し,保健婦(士)の地区活動との関連や地域看護学における位置づけを明確にしながら,学びを促進させなければならない。さらに自分が追究できているものの枠にとらわれないで,家庭訪問援助や地域看護実践の特質を学生自身がより広くより深く確認できるような働きかけをしたいと,筆者は思っている。より質の高い家庭訪問援助を修得するのに上限はないはずだからである。
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