特集 大学における地域看護教育—臨地実習を中心に
地域看護教育における実習計画と指導—地区診断(地区把握)
錦織 正子
1
1愛知県立看護大学
pp.286-292
発行日 2000年4月10日
Published Date 2000/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902169
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はじめに
大学における公衆衛生看護学(地域看護学)領域における教育の一貫性は,講義,演習,実習の連動性にある。学生にとって地域を基盤にした看護活動の考え方は具体的な場面をイメージしにくく,理論だけが一人歩きをしかねない。特に従来「地区活動論」としていた部分は,具体的な教材や教育方法を駆使してみても漠然とした理解で留まるように感じるのは思い過ごしだろうか。漠然とした学びを演習で具体化し,さらに実践の場で現実と理論の統合がはかれるような教育効果を実現させるためにも,実習が果たす役割は重要である。
今回,公衆衛生看護学教育の一環である実習のあり方を考える中で,「地区診断」をどう教育しているかに焦点をあてる機会を得た。本学の場合,現状では「地区診断」は実習のねらいとしてあげてはいないが,講義・演習・実習の関連づけの中で学べるよう努めている。大学教育の一例として,その過程を述べていきたい。なお,12年度以降は実習内容を見直し,改善していく予定である。
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