研究
保健師の家庭訪問がもつ「保健事業・施策に反映させる」という特質の特徴
田村 須賀子
1
1石川県立看護大学看護学部看護学科
pp.994-999
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100635
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■要旨
本研究では,保健師の意図を記述することでとらえた家庭訪問の特質のうち,「保健事業・施策に反映させる」という特徴に焦点をあてた。熟練保健師が行った家庭訪問9事例を分析対象とし,保健師の意図と,意図によって方向づけられた保健師の行為を調べた。なお,第三者が観察できる看護援助だけでなく,第三者からは把握できない側面をも明確にするため,保健師の行為を「第三者が観察できる保健師の行為」と「言動に表れないため第三者からは把握できないであろう保健師の行為」に分けて記述し,それらの行為を方向づける意図とともにその内容を分析した。
その結果,家庭訪問の特質のうち,「保健事業・施策に反映させる」という特質には,「対象者への看護援助の実施により蓄積された情報を,他事例の援助方法や保健サービス提供方法に反映させる」「関係職種への連絡,関係職種と協働した援助提供を重ねて,関係職種との連携体制を整備し,保健事業・施策,または公的サービス提供体制づくりに反映させる」といった特徴があった。また,家庭訪問の特質を明確にするためには,保健師の意図を記述し,第三者からは把握できない看護援助の側面をも把握することが必要であると考えられた。
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