世界の保健・医療制度/過去,現在そして未来……
アメリカ医療の特質—2
田中 恒男
1
1東京大学医学部保健学科
pp.76-79
発行日 1974年1月10日
Published Date 1974/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205425
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先にふれたように,米国の医療は民間主導性の自由化医療の体質を強く備えており,福祉医療という体質からきわめて遠い発達をしてきた。しかし膨大な軍事費を支えるための経済政策と社会政策の一端として,各種の福祉政策に努力を傾注せざるをえなくなったのは1960年代にはいってからであったと考えられる。この中に一連の医療政策があり,その前提として英国式医療保障制度への志向があった。本報では,米国における医療保障システムの大要にふれ,若干の考察を加えたい。
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