今月の臨床 ホルモン療法—新しい動向を探る
副作用とその対策
3.ピルと血栓症
北村 邦夫
1
1社団法人日本家族計画協会クリニック
pp.1308-1311
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902696
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1995年10月18日,英国の医薬品安全性委員会(Committee on Safety of Medicines)が行った,「第三世代のピルは,第二世代のピルに比べて血栓症の発生率が高い」との突然の報1)に,ピルを避妊法の第一選択肢としている世界各国では,ピル恐慌とも言うべき事態が起こった.これを契機に,低用量ピルが,先進国で唯一認可されていないわが国におけるピルの認可に向けた審議が,さらに長期化する様相を呈しており,ピルの早期認可を待望していたわれわれ医師や女性達を落胆させている.
本稿では,「ピルと血栓症」について,歴史的に考察するだけでなく,今回の「ピルと血栓症」騒動の顛末などについても述べたい.
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