臨床メモ
ピルと妊娠
竹内 久彌
1
1順天堂大学医学部産科婦人科学教室
pp.386
発行日 1977年5月10日
Published Date 1977/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205610
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偽妊娠療法ということばを持ちだすまでもなく,同様なステロイド負荷条件から,ピル服用と妊娠とは,似た身体症状をひきおこすことがある。
van Thielら(Gastroenterology 71;232,1976)は,健康婦人の月経中,ethinyl estradiol単独服用中,およびmethisterone+ethinyl est—radiol合剤(ピル)服用中の3種類の条件下における食道下部括約筋圧,胃液酸度,血清ガストリンを測定した。その結果,胃液酸度と血清ガストリンはどの条件下でも差がみられなかったが,食道下部括約筋圧はピル服用時に有意に低下することが判明したという。すなわち,プロゲステロンがエストロゲンと同時に作用すると,食道下部括約筋は弛緩することになり,これは妊娠中に良くみられる胸やけや吐出の原因と考えることができよう。
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