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家庭ごとに最適な室内換気の方法を出張指導—在宅療養者や乳幼児を室内空気の汚れから守るために 目黒区保健所
pp.453-456
発行日 1999年6月10日
Published Date 1999/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901987
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近年,新たに改築した家屋の入居者にみられる「シックハウス症候群」が問題となっている。この代表的なものに壁紙や合板の接着剤に含まれるホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物が原因となって起こる化学物質過敏症があり,健康への影響についての住民の関心が高まっている。こうした状況に対して東京都目黒区保健所では,適切な室内換気を行うことにより不快な症状を子防または軽快させることができるため,在宅療養者や母子家庭を主対象に家庭訪問して正しい室内換気の方法を指導する事業を昨年度行った。
同保健所生活衛生課の刀根隆主事によると,「化学物質過敏症などの原因となる空気汚染物質はホルムアルデヒドだけでなく,現状ではその原因物質の特定もできないため,ホルムアルデヒドと炭酸ガスの濃度を目安にして,室内の換気の重要性を訴えようという趣旨で実施しました」とのこと。特に,長時間在室することが多く,自ら換気することが難しい在宅療養者と乳幼児が締め切った空気の汚染の害を一番受けやすいと考え,彼らを主な対象と位置づけた。訪問に際しては,普段から担当で訪問している保健婦と連携して進めたという。また,一般家庭の希望者も広報で募ったところ,3週間の受付期間に多数の応募があり,結局在宅療養・乳幼児家庭へ35軒,一般希望家庭へ42軒の合計77軒に訪問指導を行った。
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