特集 公害・環境問題の変貌と新展開
室内空気汚染対策に関する世界的動向と今後の展望
東 賢一
1
1近畿大学医学部環境医学・行動科学教室
pp.533-540
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401103072
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はじめに
日本では1990年代に入り,いわゆるシックハウス症候群など,化学物質による室内空気汚染が原因とされる居住者の健康問題が社会的に大きくなった.そこで日本では,13の物質に対して室内濃度指針値が策定され,2種類の物質が建築基準法で使用規制されるなど,いくつかの対策が行われてきた.その一方で,国内外の研究で近年新たな課題が指摘されており,世界保健機関(WHO),欧州諸国,日本の厚生労働省が取り組みを進めている.
本稿では,室内空気汚染に関する近年の知見や諸外国での取り組みを紹介するとともに,今後の課題についても言及したい.
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