連載 大都会の中の小さなまち しんやまの家ストーリー・4
健康学習は末広がり
佐谷 けい子
1
1中野区立しんやまの家
pp.340-342
発行日 1999年4月10日
Published Date 1999/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901967
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健康学習のめざすもの
しんやまの家利用者の最高齢は93歳の山田さん。1人暮らしで,週1回のヘルパーサービスと配食サービスを利用する彼女は,悪天候でない限り毎日しんやまの家に姿を見せます。週2回の友人との入浴と,おしゃべりが何よりだと言います。
もしも彼女が歩けなくなったら,周りの人はどんな手だてを考えればいいのでしょうか。「超高齢になっても自宅で毎日温かい食事をとれて,足が不自由になってもしんやまの家へ来ることができ,ぎりぎりまで楽しく友と語ることができる」ことを可能にする地域環境づくりをめざして,“行動できる人”が支え合う地域の拠点になることがしんやまの家の理想です。長寿で健康でありたいと誰もが願い,体を鍛えることや体によいものを食べることなどの健康づくりを実行していますが,しんやまの家のナイスミドルの健康講座ではもっと広い意味の健康について考えています。住民が住民に伝える健康づくりを学習の中から生み出すナイスミドルの健康講座の延長線上にあるのは,「誰もが地域でいつまでも健康に暮らせること」。健康学習からさまざまな活動を生み出しました。それが80歳以上の高齢者を対象とした会食「四季の会」や,地域内の在宅サービスセンターや知的障害者施設への支援です。
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