健康学習の試み・4
「健康学習」のコーディネイト・スキル
石川 雄一
1
Yuhichi ISHIKAWA
1
1自治医科大学地域医療学教室
pp.414-418
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207710
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健康学習に関する文献を読み,研修会に参加して,頭の中で十分理解できたと思っても,人前に立つと頭の中が時間とともに混乱し,収拾がつかなくなることがある.前もって学習会の流れを準備・計画し,いざ始めようとしたら,緊張して平素の自分を忘れ,さらにその緊張感が会場の参加者にまで伝わってしまう.また,おしゃべりな一人の中年女性の独壇場となり,だれも手がつけられない状態となることがある.あるいは,参加者から質問を受けたが,それに対する解答を持ち合わせていないためにオドオドしてしまう.
これらの問題を解決するためには,基本的医学知識に加えて,自分の心理状態及び参加者全体をコーディネイトする技能が必要となる.それらの技能のいくつかは,各人の経験から自然に体得することができる.そこで無意識に上手にこなしているものは何かを,再び意識下に再認識し,他方,自分が不得手な部分は,その解決法を学習する必要がある.
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