特集 保健婦活動論文集
研究
1歳6か月児健康診査の事後指導としての育児相談教室の意義—育児相談教室における母親の子どもへの関わりの変化
篠森 紀子
1
,
花崎 みゆき
1
,
沖原 綾美
1
,
河内 生子
1
,
串部 美穂
1
,
岸畑 直美
1
,
長尾 秀夫
2
1松山市保健センター
2愛媛大学教育学部
pp.201-204
発行日 1999年3月10日
Published Date 1999/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901944
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要約
1歳6か月児健康診査の事後指導としての育児相談教室(以下,育相)を開催し,母親の子どもへの関わりの変化の視点から,その意義を検討した。対象は平成7年度に育相への通室を終了した50人の子どもとその母親である。方法は育相の遊びに参加した保健婦が母親の子どもへの関わりを6項目について4段階で評価した。その結果,通室前後ですべての母親の関わりが6項目すべてについて改善していた。そして,その改善は子どもの発達指数とは無関係であった。ただ通室後の進路により,療育機関を選んだ母親が最も改善が顕著で,通室の中断や言葉の教室を選んだ母親は改善が少なかった。したがって,育相は母親の子どもへの関わりを改善するのに有効で,特に積極的な療育への取り組みにつながった。しかし,一部の母親は子どもの発達上の問題を受け入れできないまま育相を終了していることが明らかになり,発達支援のあり方にさらなる改善が必要と考えられた。
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