調査
育児指導へのかかわりを考える—育児相談室に訪れる母親の実態より
風間 明美
1
,
奈良 八重子
1
,
西山 小夜子
1
,
長谷川 恵子
1
1新潟県公衆衛生看護学校
pp.144-157
発行日 1981年2月10日
Published Date 1981/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206348
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
人類のますますの発展を願う時,私達は,次代を担う子供の健康で人間性豊かな成長,発達を助けなくてはならないことを認める。また,小児が健全な発達をしていく上で,養護にあたる母親の影響は最も強いと言われている。ところが,現代の社会情報に目をやると,かたや母親の育児ノイローゼや育児不安などがマスコミで取り上げられてきており,また育児相談室や電話相談の利用が盛況である。これは,私達母親の育児指導に携わる者としては,決して軽視してはならない問題である。
宮崎1)のように,育児ノイローゼの元凶のひとつは,育児書,新聞の育児記事,テレビ・ラジオなどの育児番組など,いわゆるマスコミによる情報過多があり,育児に主体性を持てない親が,これらの情報に振りまわされているのではないだろうか。また,もうひとつの原因として,核家族や兄弟数の減少という家族形態の変化により,最近の母親が実際の育児経験をする機会が少なくなり,また,不安や悩みの生じた場合においても,核家族化や,近隣との疎遠により,身近かな相談者が得られにくいのではないかと考えられる。
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.