衛生施策の動向・都道府県 高知県
すこやかファミリー推進事業
植田 和子
1
1高知県保健環境部健康対策課
pp.723
発行日 1989年10月15日
Published Date 1989/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208048
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1.はじめに
高知県の人口は約83万人で,そのうち老人の占める割合が14.5%と高く全国第2位である.人口は高知市とその周辺に集中しているため,山間部では一層過疎と高齢化が進んでいる.県下10保健所の管内人口は中央保健所だけが約40万人と突出している他は,数万の小規模となっている.海岸線に沿って東西に細長くしかも山林面積が多い地形で,就労形態などの生活環境の地域特性に大きな差があり,地域保健活動も保健所ごとに特徴がある.
老人の多い県ではありながら,男性の平均寿命が全国第45位にとどまっていたり(昭和60年)母子保健指標が低迷しているなど保健指標上の問題点も多く,これらの解決が行政上の課題となっている.そこで,昭和60年度に副知事を本部長とした「高知県長寿県づくり推進本部」を設置して,"いきいき ながいき なごやか高知" のキャッチフレーズのもとに,真の長寿県づくりを目指し各施策を進めてきた.この施策のひとつに「すこやかファミリー推進事業」がある.交通事情の改善や老人保健法の施行などで,形骸化してきた移動保健所事業を60年度に廃止した.それに代わって,53年度から始まった「県民健康づくり推進事業」に「県民ヘルスニーズ調査事業」と「すこやかファミリー健康づくり事業」を新たに加えて発足したものである.
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