特集 くすりと公衆衛生
新しい血液事業の推進
清水 勝
1
Masaru SHIMIZU
1
1東京女子医科大学輸血部
pp.392-398
発行日 1989年6月15日
Published Date 1989/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207951
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■はじめに
最近の数年間に,わが国の血液事業は大きく変革しつつある.昭和39年の閣議決定による売血から献血への転換を第1次大改革とすれば,昭和60年の血液事業検討委員会の中間答申に基づく対応策は,第2次大改革といってもよいであろう.その骨子は,血漿蛋白分画製剤(以下,分画)のすべてを,献血により国内で自給自足することを国是としたということである.そして,そのための方策として,原料血漿確保量の設定,新採血基準の採用および第2次中間答申として出された血液製剤の使用適正化ガイドライン(昭和61年7月)とである.
そこで,まずこのような方針が打ち出された歴史的背景と血液製剤の特殊性1)について略記し,次いで血液事業の最近の動向と問題点に触れながら今後の展望について述べることにしたい.
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