Japanese
English
特集 視覚障害のリハビリテーション
中途失明者の社会適応
Personal Adjustment or the Newly Bilnd Adult.
田中 一郎
1
Ichiro Tanaka
1
1国立東京視力障害センター
1National Rehabilitation Center for the Visually Handicapped in Tokyo.
キーワード:
中途失明者
,
残存感覚
,
社会適応
Keyword:
中途失明者
,
残存感覚
,
社会適応
pp.203-206
発行日 1975年3月10日
Published Date 1975/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103288
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はじめに
現在わが国においても失明者の大部分が中途失明者である状態3)から,種々の福祉サービスとともに今日までほとんど無視されてきた中途失明者リハビリテーションが重要な課題として認識されつつある.すなわち中途失明者に対し社会の偏見や過保護を退け1人1人の能力を最大限に発揮し,社会に復帰できるような制度,施設,専門職員ならびに評価と訓練のためのプログラムが要求されるのである2,4).
ここでは就業年齢層の中途失明者を対象として,医療と職業的リハビリテーションをつなぐ現在最も一般の理解が欠ている社会適応(Personal adjustment)の問題について述べる.ここで適応とは失明によって喪失した諸機能の回復過程または治療過程を意味する.失明とは医学的には視覚を失なうことであるが,失明や失明者を理解するには視覚の消失に伴って引きおこされる心理的または社会生活上の諸機能の喪失の重大性を認識する必要がある.さらにこれらの諸機能の喪失が社会的,経済的および職業的障害をもたらすことになるのである.
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