特集 地域リハビリテーション—保健活動にどう生かすか
保健婦は機能訓練に関わるべき
鳥海 房枝
1
1東京都北区衛生部おとしより相談係
pp.775-778
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901641
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はじめに
1983年に施行された老人保健法は,来るべき高齢社会を前にして成人病健診,機能訓練,訪問指導などの保健事業実施を各市町村に義務づけた。この目的は成人病の予防とその早期発見・治療と併せて生活習慣の改善であり,かつ脳卒中などに罹患した場合も地域において機能訓練と訪問指導を行い,寝たきり状態に陥ることを防ぐとしている。
ただし法施行前に訪問事業をすでに開始していた自治体の保健婦からは,寝たきり状態になった原因は脳卒中などの明らかな疾病後遺症だけではないことも報告されていた。特に80歳を越す高齢者では,下痢や発熱,転倒や腰痛といったささいなことをきっかけにするものから,“何となく”といったものまであった。その後,寝たきりは疾病やその後遺症よりも,寝かせきり状態がそれを作り出していると言われ,さらに今日では閉じこもりがその大きな原因であるとしている。
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