特集 「民」の視点からの保健婦活動
起業家として,民間の発想による保健婦の現任教育に関わって
村田 陽子
1
1ビーイングサポート・マナ
pp.1150-1153
発行日 1999年12月10日
Published Date 1999/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902108
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個人的な話から
現在,私は保健事業の請負と保健医療従事者対象の健康教育セミナー,健康教育教材の開発を行う会社の代表をしています。「なぜ,会社を起こそうと思ったのですか」と,よく保健婦さんたちから尋ねられます。その度に,私は言葉に詰まってしまいます。私自身があまり強い意志を持って,会社を起こそうと思っていなかったからです。成り行きというと無責任ですが,自分のやりたいことをやりたい方法でやってみたいというわがままが,組織を離れ,フリーとなり,会社を設立させたのかもしれません。
産業保健婦としては新聞社からガラス・光学機器製造会社,民間の健康教育を紹介する機関へと移りました。そして産業保健婦から,特に自分が興味と関心のあった健康教育の部門に移りました。専門部門での仕事に行き詰まりを感じ,もう一度産業保健婦に戻ろうか,今までの人脈を使って新しい事業展開ができないだろうかと考えた末,誰もやっていないことをしてみたいという性格から思いきってフリーになってみました。今考えると,若さゆえの無鉄砲だったと思いますし,若いゆえの特権だったかなとも思います。しかし,心のどこかに30歳ならまだやり直しがきくし,失敗したら産業保健婦に戻ろうという計算があったと思います。
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