連載 感染症 Up to Date・24
O157に対する活動から保健所の機能と保健婦独自の役割を考える
發坂 耕治
1,2
1岡山県勝英保健所
2前,邑久地域保健所
pp.592-593
発行日 1997年7月10日
Published Date 1997/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901608
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はじめに
1996年5〜6月に岡山県邑久町において,学校給食を原因とする腸管出血性大腸菌O157(以下,O157)による集団感染が発生した。邑久地域保健所は職員数17人の小規模な保健所であり,保健婦は課長を含めて4人,食品衛生監視員は採用2年目の獣医が1人で担当していた。当保健所では第1報を受けて,初動調査や検便の開始,関係機関による会議の開催などを行うとともに,他保健所からの応援を得て,疫学調査や施設環境調査,相談への対応などを実施した。また,入院児童と保護者を訪問調査し,心の面での対応をすすめるため,児童精神科医や小児科医をまじえた“入院児童保護者のつどい”を開催した。本稿では,活動の中で果たしたと考える保健所の機能を整理するとともに,保健婦の役割についてまとめた。
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