連載 保健婦による目のつけどころ—住宅改造・福祉機器導入に際して・7
対象者の置かれた環境構造とそのとらえ方
徳永 千尋
1
1社会医学技術学院
pp.570-575
発行日 1997年7月10日
Published Date 1997/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901604
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はじめに
本連載の開始に先立って,構成・内容などを検討してきたとき,さまざまな対象者の顔,家族の顔,職員の顔が思い浮かんだ。約10年の経験を蓄積したもの,あるいは同じ題材で討論や検討を重ね,考え方を熟成させてきたものなどを織り交ぜ,成功例,失敗例の具体的な事例から学んだことを本連載では書こうとしてきた。したがって,今こうして書いている原稿も,数年経てば考え方が変化してくるものと思われる。
本稿では現時点で到達している事柄について,福祉機器導入あるいは家屋改造に関しての基本的確認事項として,
①対象者がどのように医療との関わりをもち,保健や福祉の分野に導かれていくのか。
②各々の環境における対象者の状況の変化を能力の発現度という仮想的視点で述べる。
③家族との関係。
という3点に絞ってふれてみたい。
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