特集 働く人の健康と地域保健
地域の小規模企業で働く人たちの健康管理
上畑 鉄之丞
1
1国立公衆衛生院
pp.518-522
発行日 1997年7月10日
Published Date 1997/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901596
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労働安全衛生法改正とその背景
労働者の健康確保対策の充実を目的にした労働安全衛生法の改正が1996年実施された。改正の背景として,①脳,心臓疾患などにつながる所見を有する労働者の増加,②定期健診で3人に1人が有所見者になっていること,③仕事や職場の不安や悩み,ストレスを感じる労働者の増加,④「過労死」が発生して社会問題になっていること,などがあげられており,産業保健サービスに従事する保健スタッフとして産業医とともに「保健婦」の名称が初めて使用された点で画期的な改正である1)。
改正の要点は,労働衛生管理体制を充実するため,
●労働者の健康管理の知識を有する産業医の確保
●事業者への産業医の勧告権の保証
●従業員50人未満の事業場での健康管理の推進
などである。
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