特集 精神保健福祉法を生かす活動
精神障害者に関する一連の法改正について
吉田 哲彦
1,2
1国際協力事業団医療協力部
2前,厚生省保健医療局精神保健課
pp.762-766
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901420
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精神保健法から精神保健福祉法へ
昭和25年の精神衛生法の制定以来,精神障害者の医療および保護のための対策が講じられてきたが,その後の精神医学の進歩ならびに精神障害者の保健医療対策および社会復帰対策の適正化と充実についての国内外からの要請を踏まえ,昭和62年に「精神保健法」に改正し,精神障害者の人権に配慮した適正な精神医療を確保するとともに,精神障害者社会復帰施設を制度化することにより,社会復帰の促進を図ることとした。また,平成5年には,地域における精神障害者の共同の日常生活を援助する精神障害者地域生活援助事業を創設するなど,一層の社会復帰対策の充実が図られることになった。
一方,平成5年12月には「障害者基本法」が成立し,精神障害者が身体障害者や精神薄弱者と並んでこの基本法の対象として明確に位置づけられたことなどを踏まえ,精神障害者に対しこれまでの保健医療対策に加え,福祉施策を明確に位置づけて積極的に推進していくことが求められた。
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