視座
身体障害者福祉法の改正問題
今田 拓
1
1宮城県拓杏園
pp.551
発行日 1981年6月25日
Published Date 1981/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906366
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園田厚相は国際障害者年をきつかけに,ことし中に身体障害者福祉法を,長期展望と国際的視野に立つ新しい障害者福祉施策を盛り込んだ法律に改正する方針を決めた……という最近の新聞報道の示唆している内容は,関係者にいろいろな意味で大きな影響があることを物語つている.その改正の理念は,現在の身体障害者福祉法は,通称"リハビリテーション法"であり,身体障害者が自らの努力によつて職業を身につけ,社会復帰できるようにするねらいをもつているため,自立更生の見込みのない重い障害者の場合,現在の制度では救済できない現状の改善にある.すなわち①障害者が自らの努力で更生できるかどうかではなく,日常生活上の不自由さを改善する.②内臓機能障害者や記憶喪失者など現在,身体障害者とみなされない人たちに対してまで福祉の輪を広げる.③障害者収容の施設づくりと家庭内での介護を充実させる.といつた重点項目が説明されている.
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