特集 災害時における公衆衛生—阪神・淡路大震災から学ぶもの
被災地ではいま
藤山 明美
1
1神戸市北区保健部(北保健所)
pp.620-624
発行日 1996年8月10日
Published Date 1996/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901397
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はじめに
阪神・淡路大震災から1年余りが過ぎ,さまざまな分野からの震災記録を読んで,多くの方々のご支援をいただいていたことをあらためて思う。
今回,「被災地での現状報告を」とのテーマをいただいた。しかし,私の所属する北保健所管内は神戸市の中でも被害が少なく,震災当日より他の区への応援活動ができる状態であった。また,区民の多くがボランティアとして炊き出しに参加し,救援物資を懸命に集め届けた。各家庭では被災した親族と同居したり,虚弱者や寝たきり者などの介護を引き受けており,その結果,寝たきり者の介護相談が増加した。ごく一部の地域を除き,水やガスなど生活面で不便を感じたのは,当初の数日間だった。
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