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連載 海外文献紹介—東京大学医学部地域看護学教室からの発信・4
痴呆高齢者の施設入所に関わる地域サービスの問題
C. Collins, S. King, and C. Kokinakis : Community Service Issues Before Nursing Home Placement of Persons With Dementia, Western Journal of Nursing Reseach, 16 (1), 40- 56, 1994.
橋爪 祐美
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1東京大学大学院医学系研究科保健学専攻博士課程(地域看護学)
pp.320-325
発行日 1996年4月10日
Published Date 1996/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901348
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はじめに
高齢者の痴呆は近年のアメリカにおける地域および長期施設ケアに関わる問題である。家族による痴呆高齢者のケアには限界があり,施設入所は避けられないという見解がある。しかし,家族はできる限り在宅介護を望んでいる。施設入所を適度に遅らせるために,地域のサービスを活用した働きかけは有効である。過去30年間,ナーシングホームに代わるような低コストで人道的な,地域を基盤としたサービスが拡大されてきているが,長期のケアサービスを必要とする家族に効果的なサービスであるかは疑問であるといわれている。
また,サービスの利用について高いニードを持つ痴呆高齢者の介護者の特性については,十分な研究がされていない。本研究の目的は,被介護者が施設入所後3か月以内の介護者が認識している,地域サービスの問題を明らかにすることと,サービスの問題が施設入所に関連したと認識した家族介護者の特性について検討することである。
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