建築と設備・71
高齢者入所施設3題
河口 豊
1
,
張 忠信
2
,
網代 友衛
3
,
野口 恵一郎
4
Tomoe AJIRO
3
,
Keiichiro NOGUCHI
4
1国立医療・病院管理研究所施設計画研究部
2信設計事務所
3株式会社・共同建築設計事務所
4神奈川県住宅供給公社高齢者住宅事業局
pp.261-267
発行日 1992年3月1日
Published Date 1992/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903747
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高齢者の支援体制については,高齢者保健福祉推進10か年計画,いわゆるゴールドプランが1988年に策定され,在宅福祉対策として,ホームヘルパー,ショートステイ,デイサービス,在宅介護支援センターの増新設,施設対策として特別養護老人ホーム,老人保健施設,ケアハウス,高齢者生活福祉センターの増新設が進められている.さらに,高齢者の生きがいと健康づくり推進事業も展開され始めた.これは地域社会の中で家事をし,趣味の活動をし,あるいは仕事に携わっている多くの高齢者ができるだけ現在の生活を続けていけるように支援すべく,体制を整備していこうとするものである.例えば,手芸などの創造活動や中高年者教養講座,高齢者ボランティア活動,高齢者スポーツ活動などを身近な市町村段階で推進しようとするもので,そのために必要な支援指導,コーディネーターやシニアリーダーの育成を都道府県段階で行い,さらに全国段階での調整,調査などを国が指導援助するものである.
このようなグランドプランがあってこそ,今回取り上げる高齢者入所施設の位置づけが明確になろう.今まではなかなか高齢社会全体に対する展望を描きだせず,個々の対策に追われてしまっていた感が強いが,新しい取り組みが動きだしたのである.具体的な事例では調整すべき問題もあろうが,大きな道筋は出来上がりつつある.
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