特集 大規模災害対策における保健婦の役割
[救援に入った保健婦の声]
阪神大震災における救援保健婦の活動—震災後1か月の頃
野呂 千鶴子
1
1三重県津保健所
pp.720-721
発行日 1995年9月10日
Published Date 1995/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901212
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バスに揺られながら,好きだった神戸の街を思い出していた。異人館通り,パン屋さん,コーヒーショップ……そこには私の青春の1ページがあったはずだった。2月12日,三重県医療救護班の一員として神戸にやって来た私は,あまりにも変わり果てた街の様子に声も出なかった。
三重県保健所保健婦の派遣は,震災10日後から始まり,当初2人で神戸市真陽小学校の医療救護班のスタッフとして避難所での活動を行ったが,2月12日からは長田保健所への派遣保健婦1人を含む3人の体制となり,3月31日までに実人員56人,延べ233人の派遣となった。本稿は,避難所での活動の紹介は略し,私の行った保健所支援活動についてのみ述べてみたい。
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