特集 大規模災害対策における保健婦の役割
[被災地の保健婦の声]
東灘保健所における阪神大震災の救護,保健,福祉活動について
前田 和江
1
1前,東灘保健所
pp.699-702
発行日 1995年9月10日
Published Date 1995/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901206
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平成7年1月17日午前5時46分,兵庫県南部を震源地とするマグニチュード7.2の地震は,多くの家屋を破壊し,都市機能はマヒ状態となった。死者は全市で3,897(4月1日現在)人,東灘区においては1338人と全市の34%にものぼった。保健所にいち早く駆けつけた所長,課長,事業係長と数人の事務職員が足の踏み場もない事務所に入り,机の上を歩いて電話の応対についたと聞いている。
17日の朝,避難所に救護所を開設しようにも,区内の開業医自身がほとんど被災者だった。困っていたところに市立中央市民病院呼吸器内科医長が保健所に来られ,早速M公会堂に救護所を開設することになった。また,開業医たち自身が被災者であるにもかかわらず,近くの小・中学校の避難所に救護所を開設した。
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