特集 阪神・淡路大震災時における保健医療活動
大震災時における保健活動—神戸市東灘保健所
石井 昌生
1
,
本田 守二
1
,
井上 明
1
1神戸市東灘保健所
pp.452-454
発行日 1995年7月15日
Published Date 1995/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901295
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はじめに
今回の阪神・淡路大震災で最大規模の被災地となった神戸市東灘区でのわれわれ保健所職員は,最初の数日間,日常の業務の枠を越え,職種・男女を問わず,昼夜をおかず,柩作りや遺体の維持,救護所への人や薬品などの運搬に懸命に働いた.避難所に設けられた救護所への医療班の配置も,初期では情報不足のため相当混乱した.多くのボランティアの方々の献身的努力と,調整本部の設置と,支援組織「サポート神戸」からの援助による携帯電話・ファクシミリ・スクーター・自転車などの通信連絡機の確保による情報の一元化により,救護所の運営も安定した.救護所連絡会では,出席者全員が地元医師会の早期の立ち上りを強く求め,地元医師会も責任感強く対応していただき,応援医療班から地元医師会へのバトンタッチも無事行われ,3月末日で救護所を閉じることができた.なお精神科医療チームは,保健所内で4月以降も診療を行っている.(石井)
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