特集 大規模災害対策における保健婦の役割
[被災地の保健婦の声]
震災時の保健婦活動について—あなたの町に地震が起こったら
谷口 浩子
1
,
宮本 キヨミ
1
,
梅本 治代
1
,
渋谷 光代
1
,
川崎 圭子
1
,
西山 順子
1
,
小林 るみ
1
,
大川 明子
1
,
我如古 広美
1
,
岩本 真紀
1
1神戸市灘保健所
pp.679-684
発行日 1995年9月10日
Published Date 1995/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901202
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はじめに
平成7年1月17日5時46分,観測史上初の震度7の激震が神戸を襲った。ドーンという音とともに体が宙に浮いた。最初は何が起こっているかもわからず,ただ叫び声が暗やみに響きわたった。明るくなってからヘリコプターの音が耳に入ってくる。外に出ると瓦礫のなかから人を助けだしている人,着の身着のままで茫然と立ち尽くす人,そして公衆電話に並ぶ人の列はどこまでも続いていた。
灘区においては死者857人,倒壊家屋数4万2042件(4月28日の罹災証明発行件数より),地域は瓦礫の山である。直後は避難所94か所,避難者数2万5788人と市内でも1,2番目にランクされるほど大きな被害を受けていた。鉄道網はすべてが不通。市内で最後まで鉄道が通らず区内に入る交通手段は最悪の状況であった。
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