調査報告
高齢者の在宅ケアにおける保健婦のケアコーディネーションのあり方—琴東地区におけるボランティア活動を中心に
織井 藤枝
1
,
岡 朋子
1
,
岡本 絹子
1
,
兼信 朋美
1
,
日下 京子
1
,
高旗 和子
1
,
宇野 香
1
,
菱沼 早織
1
1岡山県倉敷市役所児島支所保健衛生課
pp.391-398
発行日 1995年5月10日
Published Date 1995/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901146
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はじめに
全国的に老年人口割合が高くなってきているが,当児島地区も例外ではない(図1)。必然的に寝たきり老人らに対する訪問が増え,その中で寝たきり者本人・家族・地域の健康問題が浮かびあがってきた。その解決にむけて地域に問題をなげかけ,在宅ケアの支援・予防活動に視点をおき,活動を広めてきた。また琴東地区のボランティア組織結成により,意図的に児島全体へ波及させていった。今回は琴東地区ふくの会の活動過程を中心にまとめることにより,今後の在宅ケアにおける保健婦のケアコーディネーションのあり方について検討したので報告する。
ここでいうケアコーディネーションの概念は看護協会訪問看護検討委員会のいう「コーディネーターの概念」1)を基に,“対象のニーズにそって必要な機関へ連絡調整を図り,必要な資源を用いて問題解決や改善を図るまとめ役としての機能を果たすこと。そしてよりよくケアが受けられるための調整を行うとともに,各関係機関やグループと連携して,ケアシステムの形成や発展に寄与すること”と考えた。
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