特集 これからの地域保健を語ろう—保健所法改定を機に
[地域保健の新しい取り組みとその課題]
都道府県保健所の機能強化—都道府県保健所の現状と可能性
木野田 昌彦
1
1埼玉県東松山保健所
pp.1000-1006
発行日 1994年11月25日
Published Date 1994/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901046
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はじめに
21世紀の到来を目前に控えた今日,「成熟社会」の実現に向けた議論が盛んである。保健や福祉においても,サービスの目標として,「生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)の向上」が重視されてきた。厚生白書のテーマが「貧困と疾病の追放」であった時代と比べれば,明らかに政策理念そのものが変化してきている。
一方,保健所をはじめとした地方の公衆衛生行政システムは,今日まで抜本的な見直しがされてこなかったため,上記のような変化に対して柔軟に対応しがたい状況にある。このような状況の下,「地域保健のリストラクチャリング(再構築)」として,「市町村の役割の重視」「保健所の機能強化」「保健・医療・福祉の連携」などを基本方針とした「地域保健の総合的な見直し」が行われ,「地域保健法」が成立するに至った。
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