視点
自治体(都道府県)の保健活動と財政
長岡 常雄
1
1東京都衛生局医療福祉部
pp.754-755
発行日 1998年11月15日
Published Date 1998/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901975
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地方自治体の財政が悪化する中で,新たな保健施策を展開してゆくことは大変困難となっている.またここ数年担当している保健対策において時代の変化を肌で感じることも少なくない.
最近の都における疾病対策の動きをみると,精神障害者施策では,平成9年を福祉元年としてホームヘルプサービスなど4種の福祉サービスを開始し,10年度からは従来都が全額補助を行っていた精神障害者共同作業所の運営費について1/3を市町村が新たに負担する制度改正がなされた.難病対策においては,10年5月から医療費の一部患者負担が導入され,それとともに重症者と在宅患者に対する福祉施策が強化された.HIV感染者については,10年度から身体障害者として認められ,医療費の公費負担と障害者としての福祉施策を受けるようになった.環境保健の分野では10年度から母乳や食品にもダイオキシン類の調査を広げ,内分泌かく乱化学物質についても調査を開始された.また感染症予防・医療法が改正され,都と区市町村の役割分担が変わることとなった.
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