連載 心まどえる老人と支える人々の話—痴呆性老人をめぐる諸問題・2
現れてくる主な症状について
片桐 隆
1
,
堀内 静子
1
1国立小諸療養所
pp.908-913
発行日 1994年11月10日
Published Date 1994/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901030
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痴呆性老人の症状について
ここで痴呆性老人と呼んでいるのは,アルツハイマー型老年痴呆で,しかも中程度から重度の痴呆状態の人々を念頭においている。本来痴呆とは,なんらかの病的原因のために脳の働きが悪化して,知的な能力が低下することをいう。つまり,その原因は前号で述べた通り各種各様の種類の病的変化がある。アルツハイマー型痴呆だけを考えたのでは偏った記述になりうる。しかし,最も頻繁であり,その他の痴呆と共通する症状を多く示し,いわばもっとも日常的な臨床症状を呈する疾病として,アルツハイマー型老年痴呆のしかも中,重程度を選んだことを承知して頂きたい。
さらにアルツハイマー型老年痴呆の中で,特に頻繁に現れ,臨床的にまた介護・看護上重要だと考えられる症状について述べてみた。
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