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死亡調査に現れた癌疾患
服部 敏
1
,
田村 次郞
2
1奈良縣標準保健所
2衞生統計係
pp.169-170
発行日 1950年3月15日
Published Date 1950/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200606
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奈良縣は從來より癌患者の高率を以て知られてゐた。筆者等は癌患者の實態を調査する一つの試みとして,人口動態死亡調査票を利用し,癌による死亡者の統計的觀察を行い,田村は其の要旨を第4回全國保健所長會,學術會に報告した。其の成續に據つて,再び此所に報告し,併せて癌豫防事業に關する私見を述べ,大方の御叱聲を乞ふ次第である。
本例は奈良標準保健所管内の昭和23年1月より12月迄1ケ年間の人口動態死亡調査票3,585例(戰死戰病死を除く)中より抽出した癌死亡者(惡性腫瘍を除く)241例に就て觀察した。尚當保健所管内は山間部農村地帶である添上郡(人口43,830)山邊郡(人口49,074)と平坦部農村地帶である生駒郡(人口106,343),都市である奈良市(人口78,369)よりなり,1市4町33ケ村總人口277,616人(昭和23年常住人口調査)を含んでいる。
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