調査報告
老人訪問指導に関する業務量について
原 三枝子
1
1横浜市中区福祉部福祉保健サービス課
pp.817-823
発行日 1994年10月10日
Published Date 1994/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901012
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
老人保健福祉計画は現在策定中で,1994年4月に開始されることになっている。この計画の策定指針で,厚生省は「参酌すべき標準目標水準」として訪問指導については,年間6〜12回という訪問回数で示した。1992年,横浜市においても保健婦ケースワーカーが調査に加わり,近いうちに計画の素案が示されようとしている。
横浜市の寝たきり患者への保健婦の訪問指導回数は,緊急ケースの対応に追われて,年間1回も行けなかった人と1回しか行けなかった人を合わせると半数弱を占めるのが実態である。対象者が必要とする時に必要なサービスを提供するためには,対象者の把握システムや指導内容とともに,保健婦のマンパワーの確保が必要である。これまでの訪問指導に関する研究では,個別援助の事例検討やシステム化など質的な研究が多く,量的把握の研究は少ない。高崎らは,ケース援助における保健婦の訪問の必要性を調査し,訪問必要頻度から保健婦の必要数を試算した1)。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.