特集 公衆衛生はどう変わるか—保健所法改定を機に
[保健所法改定とこれからの地域保健—コンシューマーの立場から]
地域のエネルギーと1つになって
佐谷 けい子
1
1中野区老人会館事業
pp.954-955
発行日 1993年10月25日
Published Date 1993/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900812
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友人に「地域健康づくり」という言葉から何を連想するかと聞くと,「ラジオ体操を普及させようとしている」と返ってきました。私も数年前だったら,それに近いことを答えたと思います。しかし,公衆衛生関係者から,健康という言葉が持つ意味を学び,保健分野が「住民と共に街づくり」をなぜ展開するのかを聞いたとき,驚きとともに新鮮さを感じました。そして,発想の原点はいつも「福祉」で仕事をしてきた自分に気づきました。
「福祉(狭義)=救貧」とされていた長い歴史から今やっと抜け出たように,健康は「個人のみではつくられず,街づくりやそれを支える政策が必要」という概念を一部の関係者だけでなく,もっと明確に強く住民に知らしめていくことが必要です。
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