特集 児童虐待—危うい子育て環境そのサポート
大阪における予防・発見・援助への地域システム
鈴木 敦子
1
1大阪府立看護短期大学
pp.793-797
発行日 1993年10月10日
Published Date 1993/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900765
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はじめに
社会の貧しさ故に,児童虐待は世界の各地で広く行われてきた。現在でも,貧困は児童虐待に大きく関連していることに変わりはない。だが,それは経済発展を遂げ,子どもの人権に敏感な欧米諸国でも深刻な社会問題とされ,国家的政策として取り組まれている。
わが国では,最近になって児童虐待の存在そのものが理解され始めた状況である。虐待された子ども,虐待に追い込まれた親に接した時,私たちの多くがそのケアに確信が持てず迷い,そして四苦八苦しながら対処しているのが現状ではないだろうか。このように1人ひとりが点として努力している中で,児童虐待について正しい理解を持ち,保健・医療の分野だけでも,共通認識に立って点から線への連携を持ちたいとの願いで,数人で集まり「Child Abuse研究会」を発足させた。
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