特集 児童虐待—危うい子育て環境そのサポート
福祉の立場から—児童相談所と児童虐待
津崎 哲郎
1
1大阪市中央児童相談所
pp.788-792
発行日 1993年10月10日
Published Date 1993/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900764
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児童相談所の業務と児童虐待
児童相談所(以下,児相)は児童福祉法(以下,法)に基づく第一線の行政機関であり,各種の児童問題に対して行政的措置を含めた諸々の援助を実施していく機関である。都道府県および政令指定都市に義務設置されている児相は,援助にあたって,多職種によるチーム協議を原則とし,そのため,児童福祉司(ケースワーカー),心理判定員,医師,保母,指導員らの専門職が配置されている。
相談の内容は,大別すれば,①養護相談(9%),②非行相談(7%),③心身障害相談(56%),④育成相談(22%),⑤その他(6%)に分類できるが,平成3年度の全国での総受付件数は27万5135件となっている。しかし大都市部では養護相談のウエートが高く,例えば大阪市では,その割合は全相談の約3割を占めている。
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