特集 老人保健事業第三次計画と老人訪問看護制度
[老人保健事業第三次計画への取り組み]
大腸がん検診とその後のフォロー
斎藤 トモ子
1
1宮城県桃生郡鳴瀬町
pp.805-809
発行日 1992年9月25日
Published Date 1992/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900580
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はじめに
わが町は,人口約1万2000人,太平洋に面し,奥松島の豊かな自然と山海の珍味に恵まれた地域性豊かな町である。交通機関の便に恵まれているため,仙台圏のベッドタウンとしても発展を続けており,一部の地域は都市型に変わり,住民意識も多様化している。保健事業全般における対策は,健康福祉課が所管している。町の豊かさは「健康がベース,町民が病んでいては健康で明るい町づくりは望めない」,この信念から健康で豊かな町づくりを目指している。
成人病による死亡率は依然として高く,第1位のがんを含めた成人病のそれは,平成3年で全死亡の67.5%を占めている。代わって増加傾向にあるのが大腸がん,肺がんである。すでに1位の胃がんは,平成3年で大腸がんに置き換えられた。(図1)。死亡者の大半は未受診者の50〜60代の壮年である。それゆえ保健婦にとっても憂うべき課題となってきた。
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