連載 保健婦はおもしろい
保健婦活動を振り返って
野川 利枝
1
1横浜市衛生局地域保健課
pp.744
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900568
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保健婦稼業の30年の歳月は,前半を保健所で,中間を家族の在宅ケアと母校の看護学校で,後半は老健法の制定と共に再び保健所に戻る中で,さまざまな地域の人々との生活の場での出会いを体験し,人間の生き方のすさまじさやほのぼのとした温かさなどを通して生きることの意味を学ばせてもらえたと思います。この体験は保健婦ならではのものと思います。
また近年,私の体験の中でもかなり大きなエネルギーを必要とする仕事にぶつかりました。昭和62年に開始された保健・医療・福祉の連携による地域ケアシステムの推進のモデル事業に参加したことです。この事業の展開にあたっては,昭和50年から開始された訪問指導事業の10数年にわたる事例を分析し,どんなシステムがあったらあの患者さんや家族の生活が改善できたのかという視点に立って課題を整理し,地域の関係機関や団体による協議組織に提示し,討論の素材としてきました。
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