特集 最近の保健婦活動研究論文集
保健婦研究活動の動向—昭和60年から平成元年まで5年間を対象として
飯田 澄美子
1
,
桜井 しのぶ
1
,
成木 弘子
1
1聖路加看護大学
pp.675-681
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900554
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要約
日本看護学会地域看護分科会と,全国地域保健婦学術研究会と,神奈川地域保健婦研究会の3学会・研究会について,昭和60年から平成元年の5年間にわたり,内容を比較,分析した。その結果,次のことが明らかになった。
●地域は病院からの報告が半数以上を占めており,全国,神奈川は,保健所,市町村がほとんどである。
●研究の種類をみると,調査研究が,3学会,研究会ともに35%以上を占め,特に全国が多い。事例研究は地域が多く,全国が少なく,その傾向は過去5年の傾向と同様である。単なる報告として発表されているものは,全国が半数にみられるが,地域は1/3であり,この傾向も過去の資料と同様である。
●具体的な研究方法としては,地域,神奈川では,質問紙が多く全国は面接が多い。
研究方法の組み合わせは,地域,神奈川が全国に比して有意に多い。記録の分析は10%前後と減少傾向を示している。
●対象者は,成人を対象としたものが3学会,研究会ともに多いが,老人を対象としたものでは,地域が最も多い。小児は,神奈川が多い。
●対象疾病別分類では,地域は慢性疾患,身体障害者が多く,全国では精神障害が,神奈川では,身体障害,難病が多く,その傾向は異なっている。
●研究内容をみると,地域は,継続看護,在宅ケアが約40%を占めている。全国と神奈川は,実態調査,意識調査,保健指導が約30%を占めている。衛生教育,地区管理活動は神奈川に多く,組織化,集団検診は全国に多く,神奈川は地域に比して,やや多くなっている。
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