文献研究
保健婦研究活動の動向—昭和46年から50年の5年間を対象として
杉本 正子
1
,
桜井 美知子
1
,
飯田 澄美子
1
,
後藤 瑛子
2
1神奈川県立衛生短大
2元神奈川県立衛生短大
pp.862-870
発行日 1979年11月10日
Published Date 1979/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207881
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保健婦活動に関する研究抄録集の昭和46年から50年の5年間の分析を行った。その結果
1)保健婦の研究は,地域別に報告されているものが多く,学会・研究会で6割以上占められている。
2)研究者所属機関は,保健所が6割弱であり行政機関が次いで多く,保健所関係が9割近く占めている。
3)発表人員は単独の研究か保健婦一同・グループの研究発表が多く,少人数の研究は少ない。他機関との連携による共同研究は,各年度とも7%前後みられ,保健所との共同研究がほとんどである。
4)研究老所属地区は,地域によりかなり差がみられ,学会の開催地と研究報告数の関係は46年を除き見い出せなかった。
5)研究方法としては,調査研究が半数を占めており,わずかながら事例研究が増加する傾向にある。
6)研究対象としては,本人を対象としているものが8割弱であり,地域住民が対象となっているものが多い。企業職員を対象としたものが,わずかではあるが増える傾向にある。
7)研究内容は,母子が全休の4割を占め,保健婦活動,成人病の内容の研究が多い。結核は年度を増すにつれ減少し,成人病・老人の研究が増加する傾向にある。全体に実態,対策,管理,検診などの報告が多く,保健婦独自で行った援助活動はわずかであった。以上のことから保健婦が自分達の業務を専門職としてどのように位置づけていくのかは今後重要な課題と考えられる。
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