研究
保健婦研究活動の動向—昭和55年から昭和59年まで5年間を対象として
飯田 澄美子
1
,
今井 裕美
1
,
杉本 正子
2
,
竹田 由美子
2
1聖路加看護大学
2神奈川県立衛生短期大学
pp.157-164
発行日 1987年2月10日
Published Date 1987/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207289
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要約
保健婦の研究活動について,日本看護学会地域看護分科会と全国地域保健婦学術研究会と神奈川地域保健婦研究会の3学会について,昭和55年から59年の5年間にわたり,内容を比較,分析した。その結果,次のことが明らかになった。
1)地域は,病院からの報告が約半数をしめているが,全国,神奈川は保健所,市町村がほとんどである。
2)研究の種類をみると,3学会ともに,調査研究が約40%をしめている。事例研究は,地域が多く,全国が最も少ない。神奈川はその中間をしめている。単なる報告として発表されているものは,全国が半数をしめ,地域,神奈川は1/3みられた。
3)具体的な研究方法としては,地域,神奈川は,記録分析が約35%と多く,全国は質問紙,面接が約30%みられた。
4)対象者は,地域は,成人,老人が多く,慢性疾患をもった人,ねたきり老人が約40%みられた。全国は,成人,小児が多く,妊娠分娩,発達遅滞,精神障害,慢性疾患,ねたきり老人が約半数みられた。神奈川は小児,成人が多く,妊娠分娩,慢性疾患が約40%みられた。
5)研究内容は,地域は,継続看護と保健婦業務が約50%,全国は,保健婦業務,衛生教育,集団検診が約60%,神奈川は,保健婦業務,衛生教育,集団検診が約70%みられた。保健婦業務としては,家庭訪問,個別指導に関するものがほとんどであった。
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